導入実績

ゲノムNMR棟

理化学研究所ゲノム科学総合研究センターは、遺伝子、染色体、タンパク質の構造・機能などの解明を目的とした施設である。最重要設備であるNMR(核磁気共鳴)装置は磁場の乱れに対して非常に敏感なので、NMRが設置されている建屋には、NMRの安定動作を保障するために、以下のITBS要素技術が使われている。(実施時期:1999年8月)

  • 建屋構造や屋根に非磁性材料(木材、アルミ等)を使用
  • 基礎コンクリート用砂鉄分を取り除いた骨材を使用
  • 電磁気絶縁構造材としてアラミド筋、非磁性鉄筋の採用

 
ゲノムNMR棟

地球シミュレータ施設

海洋科学技術センターの地球シミュレータは、5000台以上のスーパーコンピュータで仮想地球を想定し、地球温暖化、異常気象など地球規模の気候変動、超長期にわたる地殻変動などの解析予測をおこなう装置である。スーパーコンピュータはノイズに対して極めて敏感な為、良好な電磁環境を確保し、動作の安定性を保証する為の配慮が各所になされている。 (実施時期:2000年1月)

  • 高周波障害防止接地システム (特許第3164992)
  • 建物と完全に絶縁された避雷・接地系
  • アラミド筋を使用した免震基礎

 
地球シミュレータ施設

超高層住宅 (1)

超高層住宅の高層部においては内部の鉄筋にテレビ電波が反射することによるゴースト現象がしばしば発生する。電波障害対策として電波透過性のあるアラミドロッドを建物外周部のコンクリート充填鋼管柱の外装プレキャストパネルの補強筋として使用された。(実施時期:1997年3月)


外装プレキャストパネル

超高層住宅 (2)

建物と同様に超高層住宅のバルコニーに設置されるプランターボックスについても電波障害対策を施す必要があったためにアラミドロッドが補強筋として使用された。(実施時期:2001年9月)


プランターボックス

大強度陽子加速器施設 受電用引留鉄構基礎(1)

154kV特高変電所の受電用引留鉄構基礎に鉄筋を使用した場合、電力会社送電線の架空地線を伝わった雷電流や電磁ノイズが基礎の鉄筋を伝わり、変電所設備の電気、電子機器に侵入し、誤作動や回路破壊を起こすことなどが考えられる。これらを防ぐために非導電性のアラミドロッドが基礎の補強筋および電気絶縁アンカーボルトとして使用された。(実施時期:2003年6月)

大強度陽子加速器施設 受電用引留鉄構基礎(2)

種々の要因で地表を走る迷走電流や基礎の鉄筋を介して電磁誘導や接地回路からの回り込みにより、再度高次高調波が加速器機器に侵入するのを防ぐために加速器用変電設備の高次高調波を除去するフィルター設備の基礎補強筋に非導電性および非磁性のアラミドロッドが使用された。(実施時期:2004年2月)


特高高調波フィルター設備

PC枕木

都市域の地下鉄に設置されたPC枕木は、迷走電流や地下水中に含まれる塩分等によってPC鋼棒が腐食する。そこで非導電性および耐腐食性のアラミドロッドがPC枕木の緊張材として使用された。(実施時期:2000年~)


PC枕木

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